麻酔について
※妊娠中の方は、麻酔を使ったすべての治療はお断りしています。どうぞご了承ください。
いずれの麻酔も、アレルギーの可能性はゼロではありません。
① 表面麻酔

リドカインという薬剤を含んだテープを貼ったり、クリーム麻酔を塗ることで、皮膚の痛みを感じにくくなります。レーザー治療や、針を刺す治療で痛みが不安な方にお勧めしています。
② 局所麻酔
手術やレーザー治療など様々な施術で使用する一般的な注射の麻酔方法です。
治療部位やその周囲に麻酔薬を注射します。自費診療のほくろの治療などの場合は、麻酔代金は頂いていません。
広範囲の刺青レーザー治療の場合は、薬剤代金を別途ご請求することもあります。
③ ブロック麻酔
眼窩下神経ブロック、オトガイ神経ブロック、指ブロックなど。
局所麻酔の薬剤を神経の走行部位や根本に少量投与することで、 広範囲に痛みを感じにくくする方法です。
④ 笑気麻酔

「笑気ガス(亜酸化窒素)」と酸素を混ぜたものを鼻から吸入します。
笑気麻酔を吸入することで、リラックス効果、鎮静作用、軽い鎮痛作用があるため、不安や恐怖心を感じる患者さんのストレスを和らげるために用いられる麻酔法です。
全身麻酔のように意識を失うことはなく、医師とのコミュニケーションも可能です。
効果は個人差がありますが、吸入を開始して数分で現れ、吸入を中止すれば速やかに体外に排出されるため、治療後すぐに通常の生活に戻れるのが特徴です。
副作用とリスク
笑気麻酔は安全性が高い麻酔法とされていますが、いくつかの副作用やリスクがあります。
副作用
笑気ガスは体内でほとんど分解されず、速やかに体外へ排出されるため、他の薬剤に比べて副作用は少ないとされています。 まれに以下の症状が見られることがあります。
- 吐き気・嘔吐:軽い吐き気や嘔吐が起こることがあります。
- 頭痛:稀に頭痛を感じることがあります。
- めまい:軽いめまいを感じることがあります。
これらの症状が現れた場合は、酸素のみを吸入させることで速やかに回復することがほとんどです。
リスクと使用できないケース
以下のような場合は、笑気麻酔の使用が適切ではない、または注意が必要な場合があります。
- 妊娠中の方:胎児への影響について十分に分析されていないため、緊急性がない限り避けることが推奨されます。
- 鼻閉(鼻づまり)のある患者さん:鼻マスクを装着して吸入するため、鼻呼吸ができない場合は効果が得られにくいです。
- 中耳炎や耳管閉塞など、体内に閉鎖腔のある疾患を持つ患者さん:笑気が体内の空気を含む空間に移行し、内圧が上昇することで痛みが生じたり、症状が悪化する可能性があります。
- 気胸、腸閉塞、気脳症などの患者さん:同様に、体内の閉鎖腔に笑気が入り込むことで悪影響を及ぼす可能性があります。
- ビタミンB12欠乏症の患者さん::長期的な笑気ガスの吸入は、ビタミンB12の吸収を阻害し、神経障害や貧血を引き起こすリスクを高める可能性があります。
- 過呼吸発作の既往がある患者さん:精神的ストレスで発作を起こしやすいため、笑気吸入を意識しすぎて過呼吸となる可能性が稀にあります。
- 一部の精神疾患を持つ患者さん:特に幻覚などを引き起こす可能性のある場合は適さないことがあります。
- 喘息の患者さん:長時間の吸入で気道粘膜を乾燥させ、去痰機能を障害させる可能性が示唆されています。
- 直近で眼科手術を受け、タンポナーデに用いられた気体(パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄等)が硝子体内に存在している患者さん:眼圧が急激に上昇し、失明するおそれがあるため、使用できません。
重要事項
- 笑気麻酔はあくまで「鎮静」を目的としており、痛みを完全に消失させるものではありません。強い痛みを伴う治療では局所麻酔との併用が必須です。
- 効果には個人差があるため、人によっては十分なリラックス効果が得られない場合もあります。
- 施術前に、必ず医師に既往歴や現在の健康状態を伝え、相談することが重要です。医師が患者さんの状態を考慮し、適切な麻酔法を選択します。